大好きで、ちょっと嫌いで…**

*元人妻でメンヘラ女のいけない恋*

あのね、それでも…

あたしの家族と
彼との話し合いの日まで、あと数日…


彼は、お見舞いに来てくれる度に
同じことを言ってた…




「恋…??
やっぱり、何をどう考えてみても
世間的に許されない事をしてるのは
俺らだから、
恋の両親が言う事は当たり前の話で、
いったん離れる、
としか言えないよ…」



「それで、俺が身を綺麗にすることが出来て
それでも、その時に恋に相手がいなくて
本当に俺と一緒になりたい、て
思ってくれてたら
その時は、改めて恋の両親に逢いに行くよ」




「…やっぱり、いったん離れる、て事??」



「それしか本当にないのかな…」



彼は、必死に泣くのを堪えてた


堪えながら、あたしの質問に
ハッキリ「うん」とは言わなかった


あたしは我慢出来ずに
病棟の食堂だったけど泣いた…



あたしも、彼がお見舞いに来れない時間帯、
ひたすら考えてた…


どうしたら良い方向に向かえるんだろう…


やっぱり世間的に許されない事をしてるんだから
ここは潔く、身を引かないといけないのかな…



それと同時に、それでもどうにか
一緒にいられる方法てないのかな…


もしも駆け落ちとか…
なんて、
彼が大事にしてる娘ちゃんの存在がある限り
どうしても考えられない



日が経つにつれて、彼は
「恋の両親の前では
別れる事にはするけどさ、
今まで通り、俺らは逢おうよ。。」



「ほんとはそれすらも良くないし、
俺がきちんと身の回りを整理出来るまで
ほんとに逢わないほうがいいんだと思う。
でもせめて、連絡だけはしたい…」




「〇〇さん(彼)は、自分が離婚するまで
あたしに逢わないと決めて、
逢わない我慢が出来るの??」





「…それが出来そうにないから、
良くないけど、
両親には嘘をつく形になってしまうけど
隠れて逢うしかないんじゃないかな…」




「…どうしたって、
どう頑張って考えても
既婚者である俺の口から
今まで通りお付き合いしたいです、とは
恋の両親には言えないよ…」




結局、毎日こんな会話をして
結論が出ないまま、
話し合いの日を迎えることに…





実はあたしのいないところで
あたしの家族と彼が話をした時に、
曲がった事が大嫌いな
あたしの母が大激怒した上に、
彼に一筆を書かせたらしい…



金輪際、恋とは逢いません



て言う一筆…



だから、彼はその後、
あたしに連絡を一切せず、逢いに来なかった


きっと頑張って、あたしに
さようならのLINEも送ったけど
きっと…
彼にもそんなつもりはなかったから、
削除したんだろうな…


一度はブロックもしたけど
やっぱり声が聞きたい、て思ってくれたから
ブロックも解除してくれてた…


だから電話にも出てくれたんだろう…



そもそも話を聞いたら、
あたしの母は、
一切彼の話に耳を傾ける事はなく
一方的に、どう考えたってあなたが悪い、と
彼だけを責め続け、
しまいには彼の前であたしの元旦那の話までして


恋と別れてくれ、て
その一択しか与えられなかったそう…


いくら彼が泣きながら
土下座までして
「きちんと恋さんと話をさせてください」
て言っても聞いてはくれず、
一筆を書かせた…


その場にはあたしの弟もいて、


弟は、母に
あたしと彼が話す機会を
与えても良かったんじゃないか、とか
一方的すぎだ、もっと彼の話もきちんと
聞いてあげるべきだったんじゃないか、とか
言ってくれてたらしい


でも、怒りMaxで、
もう周りが見えなくなってしまった母は


彼が全部悪いんだ!!と聞かなかったそう…




話し合いは、あたしがまた
倒れたりする事を防ぐために
主治医同席のもと、
病棟の一室内ですることになった


そこには主治医、彼、あたし、
あたしの家族…


どうしてあたしと彼が
付き合う事になったのか、
今後どうしていくべきか…
何であたしがこんなに
情緒不安定になってるのか…


そんなことを話した



あたしは正直に全部話した



元々、両親に大事に育てられた記憶が薄い、
ということ


確かに産んで育ててくれたことは
それだけで愛情があるんだと思うし
小さい頃は十分、
愛情持って育ててくれたと思ってる
だから両親を嫌いとは言えない


でも、諸事情あって
あたしの家庭状況は変わった


他の家庭とは違う事がたくさんあって
それによって我慢してきたこと、
他の人には理解されないこと…


それによって学校ではイジメもあったし
あたしは変わり者、と言うのが
みんなに植え付けられた


それで人間関係とかもうまくいかなかったけど
当時あたしはそれを親のせいとは思わなかった


両親のことが大好きだから


ずっと我慢してきた



結婚して、
義理の両親の介護をしないといけない
でも働いて養う事もしないといけない


そんな時の旦那の失業、浮気…
そこからのレス、
不妊治療に向き合ってもらえない…


それでも投げ出さずに頑張ってきた


一度、母に旦那の浮気について
相談したこともあった


あたしは結婚を祝福してくれた周りの人達に
申し訳なさ過ぎて
離婚を踏みとどめたけど、
母は離婚してもいいんじゃないか、て言った


今思えば、その時離婚してれば、
彼との出逢いもなかっただろうし
付き合うにも至ってなかったかもしれない、て
母は言った



いつからか、両親の仲も悪くなってきて
あたしは両親の板挟み…


それはあたしには苦痛すぎた


両親はどちらも大好きだから、
どちらか片方の味方とか出来ない


仲良くできないなら、
別れてもいいんじゃないの?
ずっとそう思ってた…


愛情たっぷりというわけではないけど
大事な両親である以上、
何とも出来ない…
複雑な心境…


父との喧嘩の末、
母が死のうとしたこともあって
一生懸命助けようとしたのに
あたしのことは信用してくれない


それでも普段から
愚痴だけはあたしに言う…



あたしの存在て何??



そんな時に彼に出逢った




もう我慢しなくていいんだ、て思った



愛情をこんなにくれる人なんて、いたんだ


嘘でもいいから、ずっとそばにいたいよ…



婚外と言う関係なら
あたしが救急搬送されたり、
両親に逢わないといけなくなったら
何も言わずに逃げたりすることが多い中、
彼はずっとあたしに寄り添ってくれた


それでもあたしの両親は
あたしの言葉や彼の話を一切聞くことなく
医者が言ったことが絶対、と言って
あたしの気持ちをわからない
第三者が言った事を信じる


それで彼に一筆を書かせる??


それだけは許せなかった



いくら世間的に許されない関係だったとは言え、
どんな気持ちで付き合ってたかとはなんて
全く知らない状態で


しかもあたしのいないところで
こっそりそんな事をしようとする
その考えも許せなかった



そしてあたしのいないところで話をした時は
聞く耳さえもたずに聞いてくれなかった、
彼の家庭状況を
ようやっと、きちんと聞いてくれた


そして一筆を主治医に渡して
破棄してくれるようにお願いした



でも
結局、今後どうしたいかという話は
お互いが平行線のまま…


彼が離婚しない限り、
あたしの両親が
すんなり受け入れる事は出来ないし、
かと言ってこのまま彼が離婚するまでの間、
この付き合いを許すわけにもいかない


彼もそれはごもっともで、
だからこそ離婚したら
きちんとこの関係を認めて欲しい、と訴えた


あたしは
じゃあはいさようなら、て
すぐに言えるくらいの
付き合いをしてたわけじゃないから
駄目と言われても離れられない、と正直に言った


そりゃそうだよ、
こんな関係、誰も認めないって…


わかってるんだけど、
あたしもバレてる以上
嘘はつきたくないし、
嘘でも別れました、て言って
両親に隠れて付き合うのも出来なかった


解決しないままだったけど
主治医にもあまり時間がなかったし
話し合いをしてる部屋も
あたし達だけで
占領してるわけにもいかなかったので
父が
「平行線のままだけど、
今日はしょうがないな…」
て言ったので、
話し合いはとりあえず終了…


まだ面会の時間は終わってなかったから
彼には残ってもらって
家族は帰っていった…




後日、弟が来てくれて
弟にあの話し合いの時、
ほぼ何も喋らないでいたけど
ほんとはどう思ってたのか、聞いてみたら…


「〇〇さん(彼)には
どんだけうちの両親が駄目だ、と言っても
それでも姉ちゃんをください!!!て
言って欲しかった」


て…(;´Д`)


彼が見た目に反して←
意外と真面目だから、
既婚者である以上、
そう言う事は言いたくても出来なかった、て
言ってたよ?伝えても、


「それでも熱い気持ちで
姉ちゃんと一緒にいるんだ、て
伝えて欲しかった」


て…(;´Д`)


そうあたしに言った弟ですが、
彼には遠回しに別れて欲しい、て言ったり
あまり彼の事を
良く思ってない節があったりする、て
彼には言われるので
真相は全くわかりません…


きっとあたしの気持ちが落ち着くように
寄り添ってくれようとしてるんだろうな…




彼はもう疲れ切っていて、
食欲もなかったので
ちょっと心配だったけど
彼の気持ちに寄り添いながら、
面会の時間も迫ってきたので
彼を見送り、
話し合いの日が終わりました…